蚕種製造の工程

蚕種製造の伝統技術を今に伝え次代に活かす

専門技術の工程を経て、蚕の卵「蚕種 ( さんしゅ ) 」を製造し、最後は孵化した状態で出荷します。

蚕種製造の工程

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蚕種製造・工程

蚕種とは

「蚕種」とは蚕の卵です。
専門技術の工程をへて蚕種が製造され、最後は孵化した状態で出荷されます。

1. 原蚕の飼育 ~原種から親になる蚕を育てる~

一般に飼育されている蚕は「普通蚕」と呼ばれ、生糸を生産するためのものです。
それに対して「原蚕」は普通蚕の親になる蚕のことです。
異なった特徴をもつ原蚕を交配することによって親(原蚕)のすぐれた特徴が子(普通蚕)に遺伝します。
原蚕の飼育は契約養蚕農家に委託し、繭で引取ります。

2. 採種 ~発蛾から交尾・産卵へ~

「採種」とは、蛾が卵を産むまでの一連の工程をいいます。
まず繭を切開し、中の蛹を取出して雌雄鑑別を行います。
鑑別された蛹は一定の温湿度と光線下で蛾になるまで保護管理されます。
蛾は定められた品種同士で交配を行い、一代のみの蚕種として産卵します。

3. 母蛾検査 ~微粒子病原体の有無を調べる~

蚕には卵をへて次代へ伝染する病気があります。
それを防止するために産卵を終えた雌蛾を摩砕し、顕微鏡検査を行います。
病気に感染していない雌蛾から産卵された蚕種だけが出荷されます。

4. 蚕種の保護と孵化 ~孵化する時期を決める~

低温庫の画像産卵後に一定の温度で保護すると蚕種は休眠期に入ります。
その後、低温下で越冬させた蚕種に温度を与えると2週間ほどで孵化します。
一方、休眠させず人工的に刺激を与えることにより、産卵した年に孵化させる方法もあります。

5. 整理・催青・出荷 ~蚕種を商品に仕上げる~

商品の画像蚕種を規格にあわせて小分けし、低温庫で保護します。催青した後、孵化した蚕を飼育場所へ納入します。