製造の工程1 原蚕の飼育

蚕種製造の伝統技術を今に伝え次代に活かす

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原種から親になる蚕を育てる

原種

普通蚕の親になる蚕種のことで、原種から孵化した蚕を原蚕といいます。おもな原種には日本種と中国種があり、この両者を交配してできる蚕種を普通蚕種といいます。

催青

蚕種を孵化させるために低温保護から常温保護にします。蚕種は0~5℃中では発育しませんが10℃以上になると発育を始めます。催青中は温度25 ℃・湿度80%で保護し、1日のうちの明暗時間を18:6にします。催青期間は10~13日で、孵化は2~3日にわたります。

稚蚕飼育

1~2令の蚕は稚蚕と呼ばれ、社内で人工飼料飼育をします。良い蚕種を製造するにはまず良い原蚕を育てることが重要です。稚蚕は抵抗力が弱いため、温湿度や衛生面に細心の注意が払われます。えさ切りやえさを与える作業は慎重に行います。

給飼の様子(WMV:13.12MB)

分場飼育

社内で2令まで飼育された蚕はその後、複数の分場(契約養蚕農家)に運ばれ、繭を作るまで桑の葉で育てられます。

原蚕は普通蚕と比べ、蚕はわずかに小さく、飼育経過は1~2日長いです。飼育期間は26~28日で日本種は中国種より経過が長く、繭の形は日本種が細長い俵形、中国種は楕円形をしており区別できます。

種繭(原蚕の繭)を上蔟後(蚕が繭を作りはじめてから)10日余りで分場から購入し、社内の飼育室にて適切な温度で保管されます。

給桑の様子(WMV:2.53MB)

5令の蚕の様子(WMV:1.93MB)

 

(上蔟:じょうぞく、給桑:きゅうそう)