伝統行事とは

蚕種製造の伝統技術を今に伝え次代に活かす

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伝統を受け継ぐ心構え

     

繭玉飾りや三九郎などの伝統行事は私たち現代人にとても大切なことを考えさせてくれます。そのひとつが「伝統を受け継ぐ心構え」です。

今の時代、伝統を守る事は大変難しく、特に中身のない形式ばかりの伝統は「不要なもの」として容赦なく切り捨てられています。伝統が本当に価値あるものとして生き続けるには、伝統の由来や意義、そこに込められた先人たちの思いなど、その「根本精神」が受け継がれなければなりません。

これからの子供たちには、伝統行事への参加を通して伝統の「本質」を知り、「伝統の受け継ぎ方」をしっかり学んで欲しいと思います。そして、いずれは彼らの心の中に「古きよき伝統を守っていきたい」という意志が芽生えてくれることを願っています。さらにはその心構えが伝統行事だけでなく職業技術や学問などの継承においても発揮されていくことを期待しています。

当社もまた歴史ある蚕業界にあってその伝統を守り伝えていく使命を担っています。伝統の「本質」を受け継ぐべくあらためて気を引き締めなければなりません。

そしてもうひとつ、伝統行事は「食べ物に対する感謝の気持ち」を私たちに思い出させてくれます。飽食の時代に暮らす私たち日本人はとかく食べ物に対する感謝の気持ちを忘れがちです。しかしそれは「五穀豊穣」があたりまえの世の中で「豊作を願ったり感謝したりする機会そのものが減ってしまった」ということでもあります。

こんな時代だからこそ「五穀豊穣」を祈る伝統行事を「自然の恵み」に感謝する絶好の機会としてとらえてはどうでしょうか。そして自然に対する「畏敬の念」を新たにし、食べ物を粗末にしがちな現代社会のあり方をあらためて考え直す催しとして利用できれば、いっそう意義深いものになるのではないかと思います。

そんな気持ちも込めて、当社でも繭玉飾りの伝統を絶やすことなくいつまでも続けていきたいと思っています。